2016 年 6 月 30 日

ヒューマン・エイド22ニュースレターコラム紹介②

Filed under: お知らせ | Author:STAFF | 時刻:07時12分
感性の自主トレ

先日、学校関係のお仕事で、むかし大手デパートの紳士服売場に勤めていた、イケメンでファッショナブルなО山さんにひさしぶりに会った。

「いやー、О山さん、いつ見ても若いね〜」

「いえ、ボクも40歳になりました。いつまでも若くないですよ。近ごろ、あまり物事に感動しなくなったんすよ、年を取るってなんか切ないですね」

まったくもって同感だ。ボクは彼よりも10以上も上だが、感動するこころが鈍くなっている実感は、40代になってからずっと気にしてきたことだった。ひとは老いとともに涙もろくなる、というが、そうは限らない。むしろ逆である。喜怒哀楽の感情は年齢を重ねるごとに、劣化していく気がする。

あたくしも、教師の端くれだし、ものを書く仕事もしている。所謂“感情労働”をなりわいとしている。感性のアンテナが錆びついていては、よいパフォーマンスはできない。

感度の低いひとは、ハートを揺さぶる言葉を発することはできない。今のボクは肉体のおとろえ以上に、感性の劣化に危機感をおぼえる。

そんなこともあって、仕事を理由に自分をさぼるな、と決意を固めた。感動体験からみずから遠ざかってはいけない。どれだけ忙しくても、「コンサートに足を運ぼう!」「本屋に行こう!」「映画は最低でも毎月二本!」「美術館・博物館は月に一度!」「旅に出て美しい風景とおいしい料理を味わおう!」と。

妻にその決意を伝えたら、「なにそれ、結局、自分が好きなことを好きなだけやるってことじゃない?」とあきれられた。

ボクにとっては“感性の自主トレ”なのだが、妻からすると単なる“道楽”と見えるらしい。とほほ。       中島 純

2016 年 6 月 29 日

年4回発行のニュースレターに中島副代表のコラムが掲載されます。人気なので、ブログでもご紹介

Filed under: 副代表 中島 | Author:STAFF | 時刻:22時23分

昭和のメンコ

 

                          中島  純

 

最近、あたらしい趣味が加わりました。メンコ収集です。昭和の時代、学童保育児童だったボクにとって、ノスタルジーを刺激する遊びのアイテムです。女の子は、リリアンにゴム跳び。男の子はメンコに三角ベースが、小学生の遊びの定番でした。ネットオークションで出品されていたものに、何となく心惹かれて、“ついで買い”を重ね、気が付けば千枚を超えていました。

絵柄がいいですね。ボクが集めるのはもっぱら昭和30年代につくられたものです。「もーれつア太郎」「巨人の星」「鉄腕アトム」「タイガーマスク」などテレビの人気番組のほか、コント55号、里見浩太朗、藤田まこと、桜木健一など、往年の芸能人、タレントの顔を見ることができます。著作権が大手を振らない大らかな時代、数十円で買えた財布にやさしい玩具でした。陽だまりの匂いがする縁側で、亡き父や、叔父と興じたときのシーンが思い出されます。

裏にすると、ロケット砲、機関銃、大将、元帥など、ミリタリーワードが掲げられ、じゃんけん記号などとともに、7〜8ケタの巨大数字が記されています。通常メンコは地面に叩きつけ、風圧で相手の札を返す遊び方をしますが、そもそもこれらの記号は何のためにあるのでしょう? わたしも長年、謎でした。昭和メンコのブログによれば、もともとはメンコの業者が少しでも遊び方に付加価値を付け、子どもらに買ってもらおうとしたもので、数字や階級で優劣をつけて競わせるいわば今のカードゲームのような遊びに用いられた、といいます。特に決まったルールなど無く、通常の遊び方に飽きると、子どもたちは創意工夫で遊びの応用を広げていったのです。

さて、こうしてマイブームとなった昭和メンコ、勤務する大学で学生さんと遊んだり、地域のイベントで子どもたちやその家族に配ったりして活用しています。ボクが集めているのはおもに角型のメンコなので、丸メンコがスタンダードな新潟ではめずらしがられます。今年は、公民館や高齢者大学などで、シニアの方と昔を懐かしみながら、遊びたいなと考えています。世代間をつなぐ交流アイテムとして、地域の活動の中で用いていきたいと思います。

ところで、あなたは今でも紙でメンコを折ることができますか?()

 

参考:「昭和メンコ館」http://pansu.exblog.jp/

 

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